不動産が売れる価格と固定資産税評価額の関係

不動産が売れる価格(実勢価格とも言う)と、固定資産税評価額にはどんな関係があるのでしょうか。逆に言えば、固定資産税評価額から売れそうな価格がわかるのでしょうか。

結論から言うと、地域差がありますが、筑豊ではあまり関係がありません。全くないとはいえませんが、実際に不動産が売れた価格と、固定資産税評価額を比べて、はっきりとこれくらいの相関関係があると言うのは難しいのが現実です。これは当社が扱う物件が多い、筑豊エリアやその周辺のことであり、筑豊以外の福岡市、大阪、東京などでは当然状況は変わってくるでしょう。

この記事では主に土地の価格と固定資産税評価額の関係について説明しています。

筑豊エリアで不動産が売れる価格と固定資産税評価額の関係

固定資産税評価額と、実際に不動産が売れる(売れた)価格の関係について、筑豊エリア独自の特性を考慮しながら説明します。

固定資産税とは

固定資産税は、土地・家屋(住宅や店舗など)・償却資産(事業用の機械や装置など)に対して課税される税金のことです。また、市町村などが課す地方税です。不動産売却の観点から言えば、基本的に土地と建物を保有している人にかかる税金と考えれば良いでしょう。

また、固定資産税は毎年1月1日の時点で所有している人に対して課税されます。納税の通知が市町村等から送られてくるのは通常4月か5月くらいです。

例えば、ある年の1月1日時点で保有していた不動産を、その年の2月10日に第三者に売却した場合でも1月1日時点での所有者(売主)に納税通知がきます。法律上は1月1日時点の所有者に納税義務があるのですが、不動産売買においては通常、1年を1月から12月、または4月から翌年の3月までと考え、不動産の引渡日で日割り計算して、売主と買主で按分して負担します。この固定資産税按分に関しては長くなるので別のブログで説明します。

固定資産税の金額は、固定資産税評価額から計算した課税標準額に固定資産税の税率を掛けて決められます。原則では固定資産税評価額が課税標準となりますが、住宅用地や新築などには軽減措置があり、課税標準額が固定資産税評価額より低くなることがあります。

固定資産税の税率は1.4%となります。ただし、財政状況によっては市町村が税率を上げることも認められているため、1.4%以上の地域もあります。ちなみに田川市は1.5%となっています。財政が厳しい市町村では税率が高くなっている地域が全国的にあるようですね。

まとめると固定資産税は次のようになります。

固定資産税 =
課税標準額(固定資産税評価額またはそれを基に計算) × 1.4%(もっと高い地域もある)

固定資産税評価額はどうやって決まるのか

固定資産税評価額とは、固定資産税を決めるための基準になる不動産の評価額です。上記で説明したような使い方をされます。また、都市計画税、不動産取得税、登録免許税を決めるための計算の基準ともなっています。

固定資産税評価額を決めるのは市町村長になります。実際には職員の方々がやってるんでしょうけどね。市町村長が総務大臣が定めた「固定資産税評価基準」を基にして固定資産(不動産)の評価を行います。

土地・建物の評価は原則として3年に1回行われます。毎年ではないんですね。まあ、膨大な作業となるでしょうから毎年はやってられないということでしょうか。新たに造成してできた土地や、新築された建物など、地目変更や家屋の増改築など、他にもいくつかの場合に当てはまる場合はその都度評価を行います。

実勢価格と固定資産税評価額(筑豊編)

実際に不動産(土地)が売れる価格(実勢価格)と固定資産税評価額にはどんな関係があるんでしょうか。詳しい方はご存じでしょうが、次の計算方法が目安になると一般的には言われています。

売れる価格(実勢価格) = 固定資産税評価額 ÷ 0.7 × 1.1(1.2)

これは固定資産税評価額は公示価格の約70%であり、実勢価格は公示価格の1.1倍から1.2倍だと言われているからです。公示価格は国土交通省の土地鑑定員会が公示する土地の価格です。公示地価とも言います。

公示価格とか出てきてさらに複雑な感じになってきましたね。ここでさらに公示価格まで説明すると、収拾がつかなくなるので、別の機会に説明します。筑豊で実際に不動産が売れる価格と、固定資産税評価額にはどんな関係があるのかということがこの記事で言いたいことなので、そこに集中します。

結論は、

「あんまり関係ない!!」

理由はいろいろあると思いますが、でも実際にあんまり関係ないんです。まったく関係ないとは言いません。実際に売却価格を決めるときには必ず固定資産税評価額を確認します。でも、実際に売れた価格と固定資産税評価額を比べると、上で紹介した計算方法にあてはまることはあまりありません。

売却価格と固定資産税評価額が近いことは、比較的あります。実際は固定資産税評価額より高く売れたり、同じくらいだったり、もっと低い金額でしか売れないこともあります。

売れる価格(実勢価格)との関連性は、固定資産税評価額よりも、土地の形、前面道路の幅や種類、高低差、そしてもちろんそのエリアの人気度などの方が大きいでしょう。

まとめ

ここまで、筑豊エリアでの不動産が売れる価格と固定資産税評価額の関係について、率直に説明しました。

ブログを読んでいただいた方は、じゃあ筑豊エリアの不動産がいくらで売れそうなのかはどうやって調べるの?とお感じでしょう。

まあ、やっぱり地元で営業している不動産会社に聞くのが良いでしょう。でも、なんか電話しにくい。しつこく営業されたくないなんて思うかもしれません。気持ちはわかります。

自分で調べる方法はあります。必ず正確に価格を知ることができるかどうかはわかりませんが、目安にはなると思います。方法については別の記事でご紹介します。お楽しみに!

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