住宅取得時などの不動産購入でかかる諸費用・税金を、取得時と取得後に分けて解説

住宅取得時の諸費用と税金のイメージ

中古住宅や建売住宅の購入、新築を建築した場合など、不動産を取得したときには住宅の購入費や新築の建築費以外にもお金がかかります。

それは様々な諸費用と税金です。

また、こうした諸費用や税金は取得時だけでなく、取得後にもかかってきます。これらをきちんと把握することはとても大切です。何事も知っていれば心構えや準備ができます。しかし急にお金が必要になってしまうと慌ててしまって冷静な判断ができなくなったり、さらには実際にお金が足りなくて困ってしまうというような事態にもなりかねません。

不動産の購入には、一般的に他のものを購入するときよりも多くのお金を要します。さらに諸費用や税金まで考える必要があるとなると、なんだか気がめいってしまいそうですよね。

しかし多くの人が、人生のうちに何度かは不動産取引にかかわったり、当事者になるという場面に遭遇します。確かに考えるべき費用や税金は多いですし、必要となるタイミングも複数回に分かれます。このことが不動産に関するお金を分かりにくくしている原因でしょう。

しかし、これらの必要なお金を、それぞれ詳しく見ていくと、ひとつひとつはそれほど複雑ではありません。今回は住宅等の不動産購入時と購入後(保有時)に必要な諸費用と税金について、順を追ってひとつひとつ説明していきます。

この記事に目を通していただくことで、不動産購入に関して必要となる諸費用と税金の全体像をつかんでいただけると思います。すべてを暗記する必要はありません。まずはこんなものがあるんだなということを一度見ていただくだけでも、実際の購入時に精神的なゆとりができます。まったくなにも知らないのと、全体像をざっとでも見たことがあるというのでは、まったく違うのです。

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住宅取得時にかかる諸費用

中古住宅や建売住宅を購入した場合、住宅を新築した場合にかかる諸費用についてみていきたいと思います。

不動産仲介手数料

不動産を購入するときに、仲介を行う不動産業者(宅建業者)に支払う手数料です。売買する不動産の価格によって、手数料率の上限が宅建業法で定められています。

支払う時期は通常、売買契約時に半額、引き渡し時(残代金支払時)に残りの半額を支払います。

不動産仲介手数料の詳しい内容や計算の仕方については、下記のページをご覧ください。

仲介手数料を計算しているイメージ

不動産売買の仲介手数料、媒介手数料がいくらになるか計算する方法

説明している様子の写真

【売買の仲介手数料】いつ、誰が誰に支払うもの?基本的なしくみとは?

表題登記の手数料

表題登記は建物や土地などの不動産が新たにできたときに行う登記です。たとえば海や川を埋め立てて新たな土地が生じたときや、住宅を新築したときに行う登記です。まだ登記されていない土地や建物の所有権を取得した人が、取得した日から1か月以内に行う必要があります(不動産登記法)。また、表題登記を行わないと、所有権保存登記や抵当権設定登記が行えません。

住宅を新築したときには、建物表題登記を行う必要があります。行う時期は住宅が完成したときです。自分で行うこともできますが、専門的な知識が必要なため通常は土地家屋調査士に依頼します。

費用は一般的な住宅の場合、10万円前後です(依頼する土地家屋調査士や地域によって異なります)。

通常、中古住宅や建売住宅を購入する場合は表題登記がすでに行われているので、手続きの必要はありません。

所有権や抵当権の登記にかかる費用

購入した土地や住宅の所有権の保存や移転、住宅ローン利用の場合の抵当権設定登記住所変更登記などを司法書士に依頼するときにかかる登記の手数料です。いいかえれば、司法書士に支払う報酬です。

依頼する司法書士によって金額は変わってくるので、事前にお願いする登記の内容を伝えて、必要な手数料を教えてもらいましょう。

また、登記には司法書士に支払う手数料の他に、法務局に支払う登録免許税という税金も必要になります。この金額も司法書士が算出して、手数料と合わせた見積書をつくってくれます。事前に確認しておきましょう。

住宅ローン関連費用

不動産購入にあたって、金融機関から融資を受けるときに必要な費用です。住宅ローン等を利用する場合の費用のことです。主なものは次のとおりです。

金融機関に支払う手数料

銀行などに支払う融資事務手数料です。金額は借入額の○○%であったり、一律○○万円だったり、融資を受ける金融機関により変わってきます。

借入額の2%+消費税で保証料はかからない、または手数料が5万円前後で保証料がかかるなど借入先によりさまざまです。

金利が安い、保証料がいらないなど、一部の項目だけでなく、住宅ローンにかかる費用総額を見て、本当にどこで借りれば得なのかを判断する必要があります。

保証会社に支払う保証料

住宅ローンを利用する場合、金利や手数料の他に保証料が別途必要になる場合があります。これも借入先の金融機関によってさまざまです。また、借入時に一括で保証料を支払う場合と、金利に上乗せ(0.1%や0.2%など)して、毎月のローン支払いとともに払うタイプがあります。

団体信用生命保険料

もし住宅ローンの契約者(借りる人)が亡くなったり、高度障害になったときにそれ以降は住宅ローンの支払いが必要なくなる(免除される)という生命保険の加入料です。

民間金融機関では、ほとんどの場合ローン金利にこの団体信用生命保険料が含まれています。フラット35は以前、この団体信用生命保険料を別途支払う必要がありましたが、現在では保険料込みの金利設定となっています。また、フラット35では団体信用生命保険を付けずに借入を行うという選択もできます。その場合は金利が少し安くなります。

現在団体信用生命は、亡くなった場合や高度障害に該当した場合の他、がんなどの3大疾病にかかったときや、8大疾病にかかったとき、または収入保障保険の機能を持たせたタイプなどさまざまなものがあります。一般的に、保証が充実するほど金利が上乗せされます。

固定資産税・都市計画税の清算金

固定資産税・都市計画税は1月1日時点の所有者にその年の税金が課税されます。つまり1月1日時点の所有者がその1年分の固定資産税・都市計画税を払うことになります。

年の途中で不動産を売買した場合(ほとんどの場合がそうですが)、所有権が移転した日以降からその年の12月31日までの固定資産税等を日割りで買主が負担するのが公平と考えられるので、買主が売主に清算金として支払いを行います。

その他

ここまで説明した項目以外にも、不動産を取得する方法やタイミングなどそれぞれの状況によっては必要になる費用があります。ここでは一例を紹介させていただきます。全ての人に必要というわけではないので、ご自身で、または不動産会社や建設会社に状況を確認してください。

住宅を新築する場合:水道引込・加入金、地鎮祭や上棟式の費用

建替えの場合:古家の解体費用、仮住まいの費用

全般:引越し費用、家具・家電・カーテンの費用など

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住宅取得時にかかる税金

印紙税

印紙税法で課税文書と規定された文書を作成した場合は、契約金額等に応じて規定の印紙を貼り付け、消印する必要があります。

新築を建てる場合は工事請負契約書、中古住宅・建売住宅・土地を購入する場合は不動産売買契約書に印紙を貼って消印する必要があります。

消費税

不動産取引において消費税がかかるのは主に次の費用です。

  • 不動産仲介手数料
  • 司法書士・土地家屋調査士に払う手数料
  • 住宅ローンの融資事務手数料

登録免許税

登記をするときに収める税金です。不動産の所有権保存・移転登記、抵当権の設定登記、住所変更登記などがあります。

税額は登記ごとに規定の税率が決まっています。また、登記の種類によっては軽減を受けることができる場合もあります。通常は登記を依頼する司法書士が、その手数料(報酬)とともに計算を行い、登記時に司法書士が代理して納付します。

不動産取得税

土地や建物などの不動産を取得したときにかかる税金です。取得した不動産がある場所の都道府県が課税します。相続によって不動産を取得した場合にはかかりません。

不動産取得税は、不動産を取得してから6ヶ月前後で納税の通知が送られてきます。各都道府県の運用により申告の仕方は異なるので、不明な場合は各自治体の県税事務所等に確認しましょう。忘れた頃にやって来るので注意が必要です。

さまざまな軽減措置もあるので、きちんと利用しましょう。

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住宅取得後(保有時)にかかる諸費用

不動産取得時の諸費用や税金だけでなく、取得後(保有時)にもさまざまな諸費用や税金がかかります。

住宅ローンと関連費用

全般

まずは費用というべきかはわかりませんが、住宅ローンを利用して不動産を取得した場合は、当然毎月のローン支払いがあります。

また、住んでいる地域によっては自治会費などがかかる場合もあります。

火災保険料・地震保険料

通常は、不動産を購入して引き渡しを受けた日から効力が発生する火災保険・地震保険に加入します。地震保険料は加入する場合のみ発生します。住宅ローンを利用する場合は、基本的に融資の条件として、支払いが終わるまでは火災保険に加入している義務があります。

支払方法は、月払い、年払い、複数年払いがあります。最大で10年一括払いがあります。割引が大きくなるので、資金に余裕があれば長期一括払いをオススメします。

また、民間の火災保険の他に各共済組合による火災共済を選ぶこともできます。一般的に民間保険より金額は安いです。その分保障が弱い部分もありますので、内容をしっかり理解したうえで選択する必要があります。

メンテナンス費

住宅・建物については必ずメンテナンス費が発生します。永遠に持つ機械や装置はありませんので、いつかは故障して修理や交換が必要になります。また、住宅や建物自体もメンテナンスが必要になります。

ハウスメーカーや建設会社などで数十年にわたる長期保証を付けているところもありますが、一定期間を過ぎると機器の故障や建物のメンテナンス費用は発生します。

どんな会社でも、30年も60年も全てを無料で交換、メンテナンスするというのはあり得ない話なのです。

主なメンテナンス項目と期間の目安(構造や使っている材料、機器によりかなり変わってきます。)

  • 外壁の塗り替え(10年から20年)※現在は30年くらい塗り替えが必要ないという商品もあります。
  • 屋根の塗り替え・葺き替え(10年から20年)※陶器瓦等を使えばメンテナンス費用はかかりにくいです。
  • 給湯器・空調機器・調理機器などの機械類(使用しているものや、使用状況による)
  • 内装(使用している材料や使用状況による)

その他小さなものまで入れると様々なものにメンテナンス費がかかってきます。住宅の大きさや使っている材料、機器によって必要な金額は大きく変わってきますので、建築した会社や不動産会社に確認してみましょう。可能であれば、年間に10万円程度はメンテナンス費として積み立てを行ってください。

マンションの場合

マンションを購入した場合は通常、次の諸費用がかかってきます。

管理費・修繕積立金・駐車場代(利用する場合)・駐輪場代(利用する場合)。

その他

下水道が整備されておらず合併処理浄化槽を設置した場合は、浄化槽の維持管理費がかかります。費用は浄化槽の大きさ(容量)や地域のメンテナンス会社によって変わりますが、普通の大きさであれば年間5万円から8万円くらいが一般的です。

ちなみに浄化槽の大きさを決めるのは、住宅(建物)の床面積です。床面積130㎡以下であれば5人槽、130㎡以上であれば7人槽、2世帯でキッチンと浴室が2か所ずつある場合は10人槽というふうに大きさが決められます。

何人住んでいるから何人槽というわけではありません。たとえば130㎡以上の床面積だけど、5人以内しか住んでないので5人槽でもいいのでは?と思うかもしれませんが、床面積により7人槽となります。

住宅取得後(保有時)にかかる税金

固定資産税

1月1日時点で土地や建物などの不動産を所有している人に対して、課税される税金です。不動産が所在する場所の市区町村が課税を行います。

不動産の固定資産税評価額に規定の税率を掛けて算出されます。区町村等の各自治体から納税の通知が届きますので申請の必要はありません。

また、様々な軽減措置があります。

都市計画税

都市計画で指定された市街化区域内の不動産(土地や家屋)の所有者に対して課税されます。税率は0.3%です。

まとめ

住宅等の不動産を取得した場合にかかるさまざまな諸費用や税金について、網羅的にひとつずつ説明させていただきました。この記事では、一つ一つの詳しい説明より、どんな諸費用や税金がかかるのかという全体像をつかんでいただくことを目的としました。各諸費用や税金に関してさらに詳しい解説や説明は、別の記事で行わせていただきたいと思います。

ここで挙げたさまざまな諸費用や税金が、全ての人にかかってくるというわけではありません。取得した不動産や場所、時期によっては必要のないものもあります。逆に、場合によっては全て必要になるという人もいるでしょう。

正直なご感想として、こんなにお金がかかるのか(-_-;)と思った方も多いと思います。実際にはあまり細かいところまで考えずに不動産を取得して、なんとか支払っているという方もいらっしゃるでしょう。また、まれには予想外の支払いで金銭的な困難に陥る方も実際にいると思います。

不動産を取得する人の資金状況や収入はさまざまなので、一概に言うことはできませんが、誰でも予定外の支出はうれしいものではありません。

確かに様々なものがあり、目をそむけたくなる気持ちもわかります。ただ、全部おぼえる必要はありませんが、できれば一度目を通していただき、諸費用や税金の全体像を掴んでいただければ、実際の取引の際、取引後にあわてずに済むのではないかと思います。

今回の記事が、不動産の取得をする方にとって、少しでもお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。

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